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今月のメッセージ

今月の教会新聞に掲載している、司牧チームによる「巻頭言」です。教会新聞は、各教会(大東門真今市)にございます。他にも、様々な記事を掲載しておりますので、教会にお立ち寄りの際は、是非、ご一読ください。

2024年11月号 掲載

家族と社会の証人として生きる

タラン・スン・ニュ・イ神父

 カトリック教会において、家族は信仰と愛の基盤として非常に重要な役割を果たしています。家庭は信仰を次の世代に受け継ぎ、社会全体にキリスト教的価値観を広めるための基本的な場です。しかし、現代社会では、家族のあり方やその役割が大きな変化と挑戦に直面しています。特に日本のカトリック信者にとって、信仰を守り、家族の中でどのようにその証人として生きるかが重要な課題となっています。

 家族はカトリック教会の中で「家庭の教会」として位置づけられており、信仰の最初の場として極めて重要な存在です。第二バチカン公会議では、家族は「家庭教会(Ecclesia domestica) 」として、キリストの愛と福音を最も身近なところで伝えるべき場所とされています。家庭は子供たちに信仰を教え、祈りを通じて神との絆を深め、神の愛を実践する場です。また、家族のメンバー同士が互いに愛し合い、支え合うことで、社会全体にキリスト教の価値観が広がっていくことが期待されています。

 カトリック家庭において、信仰教育は最も重要な使命の一つです。子供たちは、家庭での祈りやミサへの参加を通じて、神との関係を築き、カトリックの価値観を学びます。子供たちに神の愛と真理を教えることは、親の責任であり、信仰の伝承が将来の教会の基盤を築くものです。また、子供たちが成長し、独立していく中で、信仰が彼らの人生の指針となるように育てることが大切です。現代の日本社会では、宗教に対する関心が希薄な部分もありますが、親が日常生活の中で信仰を実践し、子供に対して模範を示すことが、子供たちに信仰の重要性を伝える鍵となります。

 家族と社会の中でカトリックの証人として生きるためには、具体的な実践が必要です。以下に、そのためのいくつかの方法を提案します。

 家族の祈りと霊的生活の強化: カトリック家庭は、祈りを通じて信仰の絆を深める場です。日常の中で、家族全員が一緒に祈りを捧げる時間を設けることで、神とのつながりを強め、家族の一体感を高めることができます。また、ミサへの定期的な参加や聖書の共同読書など、霊的な活動を家族生活の一部に取り入れることが重要です。

隣人愛の実践: カトリック教会の中心的な教えの一つは、隣人愛です。家族の中だけでなく、社会全体に対しても愛と奉仕を実践することが求められます。ボランティア活動や地域社会への貢献を通じて、他人に対する無償の愛を示すことができます。特に、日本の社会では「おもてなし」の文化が根付いており、その中でカトリック信者がキリストの愛を分かち合うことで、信仰の証しとなることができるでしょう。

教会コミュニティの重要性: カトリック信者が少数派である日本において、教会コミュニティは信仰を支え合う重要な場です。教会の活動に積極的に参加し、他の信者との交流を深めることで、信仰の証しを強化することができます。特に若い世代が教会活動に参加しやすい環境を整えることは、次世代への信仰の伝承にとって非常に重要です。

 「家族と社会の証人として生きる」ことは、カトリック信者にとって重要な使命です。家族の中で信仰を守り、育てることは、神の国を広めるための基本的なステップです。そして、その信仰を社会全体に対しても示し、他人に対して愛と奉仕の姿勢を持って生きることが求められます。

 私たち一人ひとりが、この使命を自覚し、家族と社会の中でカトリックの証人として生きることができるよう、共に祈り、努力を続けましょう。

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